フィンランド語の文の構造

基本語順

典型的な他動詞文 (他動詞を述語とし,主語と目的語をもつ文) のいちばん自然な語順のことを,その言語の基本語順という。フィンランド語の場合,例文 (1) が示すように,主語 (S) + 動詞 (V) + 目的語 (O) が他動詞文のふつうの語順であり,基本語順はSVOであると言われる。これに対して,日本語は 「主語 + 目的語 + 動詞」 というのがふつうの語順だから,SOVが基本語順と言うことになる。

(1)a.Pekkaosta-akirja-n.[対格目的語]
ペッカが買う本を
「ペッカは本を買う」
b.Pekkarakasta-aLiisa-a.[分格目的語]
ペッカが愛するリーサを
「ペッカはリーサを愛している」

なお,例文 (2) が示すように,自動詞文の副詞的成分も,動詞に対して目的語と同じ相対的位置に現れることが多い。

(2)a.Pekkalähte-ekaupunki-in.
ペッカが出かける町へ
「ペッカは町に出かける」
b.Pekkatule-ehuomenna.
ペッカが来る明日
「ペッカは明日やってくる」
更新日:2006/01/16 — Copyright © 2006 by Kazuto Matsumura