「午=馬」といえば,鉄道や自動車が発達する以前の主要な交通輸送機関。道の歴史を尋ねてみたなら,生活や文化,経済といった人々の営みを支えた深い関わりが見えてくる。伊那谷を縦貫する東山道には伝馬制度が発達し,江戸時代には三河に通じる街道が中馬の本道として栄えた。地名や伝説という形でそこかしこに姿を残し,時の流れに埋もれながらも歴史研究家たちの好奇心をかき立てる「馬が通った道」をたどってみた。